生田紗代 「オアシス」
第40回文藝賞を受賞した、作家デビュー作品。
家族が舞台となっているのだが、ここで描かれる母はすごい。病気ではないのに何もしない。そのくせ口出しだけはし、娘たちに心から「粗大ごみ」と言われている。何もできない、する気にならなくなった人々にも救済の手と心を、という最近の風潮とは違う。実際家族の中にそういう人がいた場合のいらつき嘆き不安は相当なものである。本人が一番つらいというけれど、家族も相当つらい。この苦しみがなかったらどんなに楽な人生なんだろうと思う。と、思わず本心が出たところで。
希望は無意識のうちにもちゃんと周りの物事を見聞きし、生活し、自立に向かおうとしている娘たちである。
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