January 13, 2005

蓮見圭一 「悪魔を憐れむ歌」

 『愛犬家連続殺人』(志麻永幸著)を改名・改題の上、大幅加筆訂正したもの、とある。埼玉で実際に起きた事件を共犯者によって書かれたノンフィクション作品であるという。では蓮見圭一さんが共犯者だったのか、なんてことになるとサスペンス・ミステリの世界になるんだけど、事実は違い、ゴーストライターだったらしい。

 さてこの事件、マスコミを賑わせていたのは覚えているが、詳細となると記憶はおぼろげである。ちょうど阪神大震災・オウム事件の時期と重なり注目度が低かったようだ。が、この作品を読んでびっくり。恐ろしい、猟奇的連続殺人事件である。

 単なるホラー小説であってほしかった。

悪魔を憐れむ歌
蓮見圭一著
愛犬家連続殺人(角川文庫)
志麻永幸〔著〕

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December 01, 2004

蓮見圭一 「そらいろのクレヨン」

 「かなしぃ。」
 「詩人の恋」
 「セイロンの三人の王子」
 「1989、東京」
 「そらいろのクレヨン」の5作を収録。

 生と死を見つめている。

 作者の描くのは常に「過去」である。激情や混沌の中を通り過ぎ、現在では昇華(または消化)し自分の核の中のひとつとなっている出来事やその時期を、冷静な目で語る。落ち着いた文体。作品を読み、人生を何度も生きなおしたような感が残る。
 作者自身の年代でもある昭和30年代生まれの人が育ってきた時代背景を取り入れた作品もある。
 危うさのない、おとなな小説である。

そらいろのクレヨン
蓮見圭一著

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September 21, 2004

蓮見圭一 「水曜の朝、午前三時」

 現在、いろいろな作家を知ろうということで、1作も読んだことのない作家、名前を知らなかった作家、の本を中心に手に取るようにしている。
 蓮見圭一さんの作品を読むのも、これが初めて。
 プロフィールもあとがきも載っていない。どんな人なのだろう。

 脳腫瘍で亡くなった45歳の直美は、娘葉子に宛てたメッセージを吹き込んだ長いテープを残していた。そこには自らの生き様が語られていた。その内容が淡々と綴られていくという内容だ。
 家はお金持ちで才色兼備、英語に堪能な直美は、親の反対を押し切り許婚に別れを告げ、大阪万博のコンパニオンの職を勤めた。そこで出会った男性との恋には、人種問題が絡む。
 当時の恋愛として波乱に満ちたものであった、ということを描きたいがための数々の設定なのだろう。
 最近までテレビでやっていたドラマ「東京湾景」(吉田修一原作。こちらも未読)を少々思い出す。

 悪くないんだけど、特に感動や共感の残る作品でもなかった。
 いやいや、読書日記を始めたばかりだけれど、そういう場合はどういう感想にまとめたらいいんだろう~。実際、小説に限らず、アート全般、ダメでも素敵でもなく、どうといったことのないものも多いですよね。

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