September 12, 2005

片山恭一 「雨の日イルカたちは」

 「アンジュラスの岸辺」
 「雨の日イルカたちは」
 「彼らは生き、われわれは死んでいる」
 「百万語の言葉よりも」の4作を収録。

 ひとつの作品にちらっと出てきた人物が、次の作品の主人公となる。連作短編集といっていいのだろう。
 全体的にやはり作者らしく生や死を見つめているのだけれど、重すぎるテーマではなく、隣人や自分自身にあてはまるような身近さがある。
 静かな語り口。長い間続いている規則的な雨音を窓越しに聞きながら読んでいるかのような気分になった。

雨の日のイルカたちは

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March 14, 2005

片山恭一 「ジョン・レノンを信じるな」

 現実というラインの上を歩いている主人公が、ときどき時空もしくは幻想のはざまに落ちたりする。
 作者は哲学的思考の持ち主であることを認識させられた。

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October 08, 2004

片山恭一 「空のレンズ」

 チャットに熱中する少年たち。
 いつの間にか時空の間に落ちるように、ネットの中に引き込まれていた・・・。

 ライトノベルあるいはゲーム風ファンタジーなのだった。
 あれっそうなのか、こういう作品も書くんだ。
 こういう世界の好きな人には、はまるであろうストーリー。けれどもこういった世界観とかの想像力の欠如している私は、睡魔に襲われた。
 人それぞれ、好きな分野があることだし。

空のレンズ
片山恭一著

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September 27, 2004

片山恭一 「もしも私が、そこにいるならば」

 「世界の中心で、愛を叫ぶ」で有名な作家。
 映画は観た。泣いた。ヒロインが不治の病に侵される話はかなしいに決まっている。長澤まさみさんがすごくかわいかった。
 作品を読むのは今回が初めて。

「もしもわたしがそこにいるならば」
「鳥は死を名づけない」
「九月の海で泳ぐには」の3作を収録。
 読み始めて、しまったと思う。1作め、主人公の母親が危篤状態である。前回読んだ蓮見圭一さんの作品の雰囲気と似ているではないか・・。生死を見つめる作品を続けて読むのはしんどいなぁ。
 2作め、主人公は入院している。
 3作めはさらに子どものこともあり、主人公の課題が増えた印象である。(3作とも全く別の話であるが)

 作者は死者の生を掘り起こすかたちで残された者の再生への道を見つけようとしている。たった2作の著書に触れただけで判断するのはどうかと思うが、これからもそれをテーマに書き続けていくのかなと思った。よしもとばななさんの作品の中で、主人公の大切な人が死んでしまうように。宮本輝さんが作品の中に、自らの父親像を追う姿を見せ続けるように。
 作家が何かを追求していく姿を読み続けていくのも読者の楽しみの一つである。

もしも私が、そこにいるならば
片山恭一著

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